社員ブログ

祇園精舍の鐘の声を聞いて

祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひにはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。

 

「平家物語」の冒頭文です。私がこの文章を初めて読んだのは、小学校の国語の授業の時だったと思います。
繰り返し語られる「どんなに栄華を極めたとしても必ず終わりがくる」というこの世の無情を説いた言葉は、語呂の良さも含めて強く印象に残りました。
ただこの文章が当時の私や、多くの人々の心に残り語り継がれているのには、作者のやり場のない無念さや、平家の人たちの自分たちのやってきたこと、存在を後世に残したいという執念じみた強い思いが一緒に文章に乗っているから、現代まで語られているのかなと思います。

 

2026年3月27日フジテレビの情報番組「サン!シャイン」が最終回も迎え、「小川宏ショー」「おはよう!ナイスデイ」「とくダネ!」「めざまし8」と61年にわたり続いてきた、フジテレビ平日朝8時からの情報番組がその歴史に幕を下ろしました。
そこは私の以前の職場でもあります。

 

昨年11月ごろ、前職の後輩からこの話を聞き、自分たちを繋ぎ止めていた繋がりがなくなること、また一つの歴史が終わるということに対する、寂しさや切なさ、やりきれなさを感じました。まさか同時間帯1位として長年君臨していた栄光がある「とくダネ!」の枠が終了することがあるのかと、「驕れる人も久しからず」を感じた瞬間でした。

 

11月からの4ヶ月間、自分が3年間やってきたことは何だったのか?と考え続けていました。しかし、ニチコミで仕事をしている中で、私の仕事に対する姿勢やものづくりに対する思い、デザイン力を評価していただく場面があり、それは「めざまし8」で学んだものでした。また、以前は感じることのできなかった顧客の笑顔や感謝の言葉もニチコミに入ってから、老人クラブの皆さんと直接関わる中で受け取ることができ、決してテレビ業界での3年間は無駄ではなく、私の中での仕事に対する基盤となり根を張って、ニチコミでの仕事を通してそれが大きく成長していることを感じました。

 

また、4月に入ってからテレビを見ていると、元職場の同僚や先輩たちが、事故現場での中継や豪雨の中でのリポートをする姿をよく拝見します。居場所は変わっても「情報平日8時」の魂である泥臭さは変わらず皆の中で生き続けていることを実感し、「平家物語」のように語り継ぐまでは行かずとも、自分の中でなくしてはいけない思いだと考えます。

 

私もニチコミで輝くために、初心を大切に、新しい価値観を取り入れ成長していかなければいけないと感じました。

 

野田和次郎でした。

カテゴリー