発掘! ステキな会員さん

個人特集

静岡県熱海市 森 朝子 さん

老人クラブ活動の課題と希望

2021年も終わりに近づいてきました。

新型コロナウイルス感染症はワクチン接種も行われるようになりましたが、その矢先7月に伊豆山土砂災害が発生……。災害発生時のことや、今後のクラブ活動について、熱海市老人クラブ会長・森朝子さんにインタビューを行いました(2021年10月発行の熱海市老人クラブ会報誌に全文が掲載されています)。

インタビューからは災害発生後のことや、これからの老人クラブ活動の課題と希望が見えてきました。

  • 森さんは熱海市老人クラブ連合会の会長を務めていらっしゃいます。コロナ禍でいつもとは違う状況の中、熱海市では伊豆山で土石流災害が発生!森さんは現場のすぐご近所にお住まいでしたが、災害発生時には状況がすぐには伝わってこなかったそうです。森さんはインタビューの中でこう語っていました。

    「私が住んでいるのは実際に土石流が起きた場所のすぐ近くで、直接的な被害はありませんでしたが、停電が起きて、テレビなどから情報を得ることが難しくなり、復旧するまで土石流が起きていたことを知りませんでした。」

    「コロナでも同じですが、若い世代はスマートフォンなどで容易に情報にアクセスできますが、高齢者はガラケーも多くてワクチンの予約を取るのにも苦労した人がいたようですね。ひとり暮らしだと尚更でしょう。」

    なんでもスマートフォンで行える時代、シニア世代共通の悩みですね。実は老人クラブでもスマホ講習会などを行おうかと考えていた矢先のことだったそうです。どれほど備えていても、災害のいつ何が起こるかわからない怖さにはっとさせられます。

  • また被害にあった地域は老人クラブがない地域でした。森さんは地域の人のため、何かできることがないか奔走します。

    「私の活動している七尾老人クラブでは、被害のあった地域の町内会長に連絡し必要なものを聞いたところ、断水していたこともあり水が欲しいという要望があったので、会員に車を出してもらい、隣の湯河原に水を買いに行きました。2ℓのボトルやいたまない菓子パンを買って届けました。でも実は小さい500㎖のものも欲しかったそうで、またすぐに買いに行きました。とても喜んでもらいました。

    会員の皆さんには事後連絡・事後承諾となってしまいましたが、納得していただき、逆に喜んでもらいました。シニア世代になると手伝おうにも制限があるので、お水と食べ物がたまたま隣町にあって届けることができてよかったと思います。」

    まさに老人クラブメンバーの連携が生きた例ですね。とっさに行動ができた勇気、そしてそれを行うことができた地域とメンバーの和。見習っていきたいものです。

    また森さんは民生委員を務めていたご経験があり、今回町内会長と連絡を取った際にもその経験が活かせたそう。

    今後の活動の抱負も語ってくださいました。

    「今回コロナ禍の影響もあり、市老連事務局もしまっていたため、市老連としては何もしてあげられなかったことと、県労連など他の地域からの援助の受け入れができなかったことが悔やまれます。今後は事務局だけに頼るのではなく、会員や三役が主体的に運営を行うために話し合いを行いたいと思います。」

  • 最後に読者の方に一言を頂戴しました。

    「(コロナについて)まず、まだ気を抜かないで。

    マスクをつけて、密を避けて、緊張感を持っていてください。気が緩むとまた元に戻ってしまいますので、皆さんもうしばらくは自粛をお願いします。

    どなたか名前はわかりませんが、全国から熱海の伊豆山のために、現金や物資、温かい言葉や応援のメッセージをいただき感謝しています。本当にありがとうございました。

    高齢でできることには限りがありますが、東北の地震については、これまでめかぶなどの品物を年2回取り寄せて食べて応援を行ったり、募金活動を行なってきました。今後も助けが必要な地域あれば応援していきたいと思います。」

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