発掘! ステキな会員さん

個人特集

福岡県博多区 田中 寛 さん

卒寿を迎えた今もなお
少年剣士たちに『熱血指導』

  • 「礼節を尊び、信義を重んじ、誠をつくし、そして自らの心身を錬磨して旺盛なる気力を養う」

    まずは、博高連の会長在任中、会員の皆様方には大変お世話になり、本当にありがとうございました。今でも、楽しかった思い出の数々がとても懐かしくよみがえってまいります。

    このたびは思いもかけず『はかた熱中人』への寄稿のお話をいただき、もし会員の皆様方の生きる活力の一助ともなればと、まさに冷汗三斗の思いで寄稿させていただきました。

    さて、私はこのたび「卒寿」を迎えましたが、以前から「余生を少年剣道の指導一本で過ごしたい」と考えていました。もちろん、人さまの大切な子どもたちを教育・指導をするなど、そのようなおこがましいことではなく、日本古来の伝統と文化に培われた『剣道の持つ力』、すなわち「礼節を尊び、信義を重んじ、誠をつくし、そして自らの心身を錬磨して旺盛なる気力を養う」という剣道の教えを、現代の子どもたちに少しでも伝えるべく指導に当たっています。ですから、いつも自分自身にいい聞かせています。「私がエラいんじゃない!剣道がエライ!」と…。

    30数年間続いている地域の剣道サークル「清士館」には、私以外に6~7名の若い指導者がいます。弥生・板付北・那珂・板付・春住の各5校区から約30名ほどの男女の小中学生たちが集まり、月・火・金・土曜日の週4日、小学校の体育館で、寒い冬の日も暑い夏の日も厳しい稽古を重ねています。指導では、厳しい中にも「ほめる」ことを心がけています。まさに「アメとムチ」ですね。

  • 私自身の長寿の特効薬とは

    ところで、今、改めて考えてみますと、私自身「なぜこんなに長生きができたのだろうか?特別に健康に留意しているわけでもないのに…」と、実のところ不思議に思っていましたが「卒寿」を迎えた今、ふと思い当たったのです!それは約30年間で巣立っていった数百人の教え子たちや、現役の少年剣士たちの存在…。まさにこれこそ、私自身の長寿の特効薬だったことに気がついたのです。この子どもたちが、みんなで私を「卒寿」に導いてくれたのです!もちろん、私自身、指導者として無遅刻、無欠勤は言うまでもありません。

    さて、ご同輩の皆様。お互いに人生のたそがれ時(?)の今、体力と気力を養うため、長寿の秘訣として何か一つに打ち込むこと!熱中すること!その「何か」は、あなたご自身がお決めになることではないでしょうか?それもなるべく早くね。あまりあとがないから…。(笑い)

    昔から「年寄りの冷や水」と申しますが、その「冷や水」に、敢然とチャレンジしてみようではありませんか!これこそまさに本欄タイトルの『はかた熱中人』…!「あー、私も年をとったなー」と思ったその時から、加速度的に老化が進むと言われています。どうぞ、くれぐれもオシャレ心もお忘れなく…。オシャレ心をなくしたら、もうおしまいよ。

    さて、結びに博高連の皆様方のご長寿と、お幸せを心から願いつつ、卒寿を迎えた老剣士のつたない一句を添えて、お別れとさせていただきます。

    花と咲き花と散りたし卆寿かな  寛

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