静岡県浜松市 松本 みゆき さん
自分で動かなければ、動けるようにはなれない。
出来ることは自分で!
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みゆきさんは磐田郡広瀬村上神増(現・磐田市上神増)に養蚕農家の掛井武平さん・さのさんをご両親として、五男七女の七女にお生まれになりました。
忙しい農家故に幼い甥や姪を連れて学校に通ったこともありましたが、義務教育6年・高等科2年のうち、欠席は1日だけの読み書きの勉強が好きな少女でした。
昭和14年、現在の地に22歳で嫁ぎ戦時中は、名古屋の軍事工場で働き、空襲から逃れて生き延びましたが、4人の子供を育てるなか、さつまいもでさえ満足に食べられない暮らしであり、戦争ほど苦しい生活はないとふりかえっておられました。
また家業は山林苗木の生産、朝から晩まで泥まみれで働く毎日でしたが、100歳までは時々はもんぺと地下足袋を履き、野良仕事をしていたそうです。 -
みゆきさん、健康の秘訣は何ですか?
・天気の良い日は30分くらい(約1000歩)散歩すること。
一昨年までは2000歩だった。自然の中で体を動かすこと。青い空を胸いっぱいに吸い込むこと。
・自分で考え出した「富士山体操」をどこでも、いつでも行っている。
・食事は家族と同じものを美味しく頂いている。
新鮮な、家で採れた野菜や季節の果物は健康のみなもと。
・必要なときはいつでも甥御さんの経営する鍼灸院で治療を受けている。健康管理が大事。
好きな食べ物は何ですか?
海の魚、きのこ、野菜の漬物、昔からの野菜、パイナップル以外の果物
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日常生活で心がけていることは?
・自分のできることは自分でやる。転倒防止のため家の中ではカートを使って移動。屋外では杖を使う。足腰を鍛えるために歩くことが必要。
・手洗いや洗面所は自分で使う。お風呂・頭を自分で洗う(監視付き)。
・手足の爪を切る。
・針仕事をやる。ボタンの付け替え、衣類の綻びを直すこと。
趣味は何ですか?
85歳くらいから、日記のつもりで俳句を作り始めた。家庭俳句の会に参加(長男夫婦と友人5~6人)し、現在も辞典と歳時記をめくりながら俳句を詠んでいる。
知人、孫・ひ孫などと手紙の交換を楽しみにしている。文章を書くことは辞書で文字を調べるので、頭の体操になる。
読書が楽しみ。最近読んだ本は『村に伝はるお話(橋本義栄著)』『日本史の虚像と実像(和歌森太郎著)』。新聞は毎日読む。朝日新聞の「天声人語」は楽しみ。
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命の危機を乗り越えて
50歳過ぎに、家のそばで暴走族のオートバイにはねられて頭に重傷を負う。聖隷病院の先生に「生きるか死ぬかはあなたの精神力次第」といわれた。畑で時々倒れるなど、3年くらい後遺症に悩まされた。
2年前(102歳)と昨年(103歳)、心不全による呼吸困難で緊急入院。その間に膀胱がんが見つかり手術した。
退院時に施設への入居を病院・親族から打診されたが断った。昨年末(令和2年12月)から現在の長男宅に同居。毎日、神様・仏様にお祈りをし、生きていることへの感謝を捧げている。
みゆきさんの格言
自分で動かなければ、動けるようにはなれない。出来ることは自分で!
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